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学校では教わらない『お金』の常識


発行:2005.11

8 国民年金保険料が払えないときは


皆さんは将来国民年金をもらうには、どれだけの期間国民年金保険料を納めればいいかご存知でしょうか。


答えは、満額(平成17年は794,500円/年)もらうには40年間不足なく全額支払う必要があります。最低でも25年間支払わないと1円ももらえません。その場合、もらえる金額はこの間に支払った分に見合っただけです。


国民年金保険料を支払うのは、ご存知の通り、20才から60才までの国民の義務です。しかし、さまざまな理由からその支払をしていない人が多いのも事実です。『将来もらえるかどうか分からないから支払わないという人』、『支払いたいのは山々なんだけれど、経済的理由から支払えないという人』もいるでしょう。



では、国民年金は将来本当にもらえなくなってしまうのでしょうか。



日本の年金制度が破綻(はたん)して、年金がもらえなくなるとしたら、その時は日本という国が破綻しているかそれに近い状態になっているということになります。もし、年金に頼らず、預貯金や保険会社などの個人年金で老後資金を準備していたとしても、日本という国が破綻状態のときに、それらが安全であるとは言い切れません。また、これから老後までの数十年の間に、金融機関や生命保険会社が倒産してしまうという可能性もあります。それらを考えたときに、国民年金はもっとも安全な老後資金のよりどころと言えるのではないでしょうか。



次に、支払いたいのは山々なんだけれど、経済的理由から支払えないという場合はどうすればよいでしょうか。



そんな人たちのために、国民年金にはさまざまな保険料免除制度があります。最初に触れたとおり、国民年金をもらうには、合算して最低25年間保険料を支払っていなければなりません。支払えないからとただ支払わずに放っておくと、その25年という資格期間を満たせずに支給の対象にならなくなってしまうかも知れません。年金は、もらえるようになれば死ぬまでもらえます。免除制度を活用して、将来少しでも年金をもらえるよう準備しておきましょう。



では、どのような免除制度があるのか簡単に説明しましょう。



保険料免除制度は大きく分けて3つあります。自営業、無職などの人で前年の所得が一定以下だったときに、保険料の支払いが半額もしくは全額免除される「保険料免除制度」、30歳未満の人で前年の所得が一定以下だったときに、保険料の支払期日が延期される「若年者納付猶予制度」、学生の人が在学期間中には保険料を払わずに社会人になってから納める「学生納付特例制度」の3つです。

資格期間に入るか 年金額に反映されるか 追納できる期間
全額免除 1/3が反映 10年
半額免除 2/3が反映 10年
若年者納付猶予 × 10年
学生納付特例 × 10年
未納 × × 2年



 免除制度を利用するメリットの一つは、免除(猶予)期間中は国民年金保険料を納めていなくても(半額免除の場合は半額をきちんと納めていれば)、25年間という年金の受け取りに最低必要な期間に算入されるということです。さらに、「保険料免除制度」では、半額免除なら2/3、全額免除でも1/3が保険料を納めたことになります。


また、未納の場合、後からさかのぼって国民年金保険料を納めたくても2年しかさかのぼれないのに対し、免除制度を利用していれば、10年以内であればさかのぼって納めることができます。余裕ができて後からさかのぼって保険料を納めることで、将来もらえる年金額を増やすことができるのです。


 これらの免除や猶予を受けるには、所得や年齢などの要件を満たした上で市区町村の国民年金担当窓口に申請し、社会保険事務所で審査、承認されることが必要です。免除と猶予の要件の大きな違いは、免除では申請者本人だけでなく世帯主の給与も基準に該当しなければならないのに対し、猶予では申請者本人の所得のみが対象となるという点です。


例えば、親と同居している本人が、仕事がなく自分では国民年金保険料を支払えないから免除を受けたいと思っても、世帯主である親の所得が基準を超えていれば、本人が払えなくても親が払えるだろうと免除申請は通りません。一方、同じ条件でも本人が30歳未満または学生であれば、免除はダメですが猶予なら受けられることになります。


 国民年金は20歳から60歳まで保険料をすべて納めると満額(平成17年は794,500円/年)受け取ることができます。上記の免除や猶予を受けた後で追納しなければその分年金額は減額されます。確かにこの年金だけで生活することはできないかもしれません。しかし、これだけの金額を70歳80歳になったときに、もらえるのともらえないのとでは大きな違いです。もう一度、国民年金について考えてみてはいかがでしょうか。


詳しくは当事務所まで





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