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有限会社 信共 〜ファイナンシャル・プランニング・オフィス〜 |
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学校では教わらない『お金』の常識
発行:2006.11
20 住宅ローンF:審査その2
今回も審査のお話しの続きです。住宅ローンの仮審査で否認された場合はどうなるのでしょうか?
否認の理由がわかればよいのですが、残念ながらその具体的な理由は説明してもらえない仕組みになっています。
説明を求めても「総合的に判断して」と回答されるくらいです。
そこで、別の金融機関で新たに申し込みをしようとすると、他の金融機関での申込状況を聞かれますので、否認された事実を告げなければなりません。
(借りる側としては辛い話ですが、金融機関の担当者としては、他の金融機関で否認された人は当然何か問題があると思ってしまいます。)
仮に他の金融機関で否認された事実を隠して申し込んだとしても、個人信用情報の照会によって、他の金融機関で申し込んだこととその審査結果が否認だった事実はすぐにわかってしまいます。
つまり、事実を隠すことは金融機関側の印象をとても悪くしてしまうので厳禁です。
そこで、対策としては、最初から断られる理由に当てはまらないようにすればいいのです。
住宅ローンを申し込む際に、断られる理由を先に知っておくとそれだけで審査に通る可能性が大きくなるのですから。
では、仮審査結果が否認となる理由を考えてみましょう。
★仮審査結果が否認となる理由
| 1.完済時の年齢と返済期間 |
●現在の年齢と返済期間の合計が完済時の年齢条件を超えてしまう。
(例えば、現在50歳の申込者で30年のローンでないと毎月の返済が厳しいが、完済時の年齢条件は75歳までという場合。)
| 2.勤務形態と勤続年数 |
●正社員以外は審査が通らない金融機関だった。
●勤続年数が少なかった。最低でも3年ないと審査が通らない金融機関だった。
●自営業者なので審査が厳しかった。(同じ年収でも会社員ならOKだった。)
| 3.購入物件価額、借入金、年収 |
●年収に対して借入金が多すぎた。
●自己資金が少なかった。
| 4.他の借入状況と返済状況(個人信用情報) |
●他の借入の残高も考慮された。
(自動車ローンや教育ローンに比べて、同じ残高であってもカードローンやキャッシングは大きなマイナス要因になります。)
(また、消費者金融のローンは残高があるだけで否認される場合もあります。)
(さらに過去に延滞などがあり、ブラックリストへ登録された場合は、大きなマイナス要因に。)
★それでは、以上を踏まえて次に、仮審査で否認されないための対策を考えてみましょう
| 対策1.勤続年数が短い場合 |
転職の理由や職歴などを書面にして、前向きな転職であることを積極的に金融機関に伝えましょう。
| 対策2.年収に対して借入金が多すぎる場合や、頭金が少ない場合 |
「購入する物件を見直す」「親に頼んで頭金を増やす」などして、借入金を少なくしましょう。
または、返済負担率の基準が緩い金融機関へ申し込むなどの対策をとりましょう。
否認の場合は、他の金融機関への申し込みは難しいかもしれませんが、減額するなどの場合、金融機関によっては年収と返済負担率の基準が低いこともあるので、申込通りの金額で決裁される場合もあります。
ただし、あまり多くの金融機関に申込をするのは、金融機関側の印象を悪くする場合があるので、ある程度絞り込むことをお勧めします。
| 対策3.団体信用生命保険に加入できない場合 |
団体信用生命保険に加入できない場合は、原則として民間の金融機関では借入ができません。対処方法としては、加入が任意の「フラット35」を検討することになります。
| 対策4.住宅ローン以外の借入がある場合 |
自動車ローンや教育ローンはやむを得ないとしても、カードローンやキャッシングについては残高があればすぐに完済して、必要がなければ契約自体を解約しましょう。
| 対策5.過去の延滞などでブラックリストに掲載されている場合 |
過去に借入金の返済に延滞などがあった場合は、必ず個人信用情報機関に登録されてしまいます。このような場合は、審査上大きなマイナス要因となり、対策案はなかなか見つかりません。そこで、完済から7〜10年以上の期間をあけて住宅ローンの申込みをしましょう。
ただし、うっかりミスで、返済が2〜3日遅れてしまったくらいでは、問題とならないようです。
| 対策6.融資額が低くて希望額に届かない場合 |
希望金額の借入ができない場合は、夫婦共に収入があれば次のようにすることで、借入額を増やすことができます。
●夫婦連盟で借入を行う(連帯債務)
●夫婦別々に借入を行う
●夫婦の収入を合算する(債務者は夫、妻は連帯保証人となる)
●連帯保証人を追加する
★借り審査がOKなら、やっと本審査です
仮審査の審査結果で決裁され、重要事項説明を受けたら、売買契約を結びます。その段階で正式に住宅ローンの申込を行い、本審査を受けることとなります。
この申込では、住宅ローン申込書に必要事項を記入し、署名捺印して、必要書類を一式準備します。ここからは金融機関ではなく信用保証会社の審査になります。
必要書類はマンション、戸建てなど物件によって違いますが、必ず一覧表を準備して書類に不備が無いか確認してください。提出書類に不備があると、審査結果が出るのに時間がかかることとなります。
本審査では現地で直接、物件を確認するなど、仮審査ではやらなかったようなことも行います。
最悪の場合を想定してお客様が住宅ローンの返済が出来なくなった場合、住宅ローンの残高を物件の売却価格でカバーできるかという観点から、厳密に担保評価を行います。
ですから、新築物件を住宅業者による提携ローンで購入する場合は担保価値がわかりやすいので比較的審査が通りやすいのですが、中古物件の場合は築年数や物件の状態などをしっかり審査するので、審査に時間がかかる場合があります。
★申込のときは住宅ローン特約を必ず確認しましょう
住宅ローンの正式な申込を行う前に、その不動産に関する権利関係や取引条件などについて、書面で重要事項説明を交わします。
この重要事項説明書の中の取引条件に関する事項に、ローン特約という項目があります。 一般的に「申し込む住宅ローンの審査が否認された場合は契約解除ができて、手付金も返済される」というような内容です。借入額、金利、返済条件など、住宅ローンの内容が具体的に明記されている場合もあります。とても大切な重要事項のひとつなので、必ず確認しましょう。
ここまで、住宅ローンの審査がどのように行われているか、その概要について述べてきました。整理してみると、お金を貸す側に立ってみればごく当たり前のことばかりです。
●申し込む借入金額に問題が無いこと
●返済能力に問題が無いこと
●信用力に問題が無いこと
住宅ローンの審査を通ることは、スタートでしかありません。仮に無理をして住宅ローンの審査に通り、念願のマイホームを手に入れたとしても、返済できなくなると家庭そのものが破綻の危険にさらされます。無理をしないで、数多くの住宅ローンと色々な金利タイプから、自分に合った住宅ローンを選択して、しっかりとした返済計画をたてましょう。
参考文献:村元正明『賢く選ぶ住宅ローン』(2006年3月、あさ出版)