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学校では教わらない『お金』の常識
発行:2006.10
19 住宅ローンE:審査その1
マイホーム購入のためには住宅ローンの審査を通る必要がありますが、今回は審査についてみてみましょう。
住宅ローンの審査は、住宅ローンの貸し手である銀行などの金融機関によって行われる審査【仮審査】と、銀行などの金融機関に対して住宅ローンの債務保証をする信用保証会社によって行われる審査【本審査】の2段階で行われるのが一般的です。
仮審査では、住宅ローンを申し込んだ銀行などの金融機関内部での審査が主となり、本人確認、年齢、返済負担率、申し込んだ住宅ローン以外の借入状況などの審査項目を確認し、信用保証会社への事前打診を行います。
仮審査の段階で問題がなければ、正式な住宅ローンの申し込みを行い、第2段階の本審査へ進むことができます。ちなみにローンの審査が通ることを決裁、承認などと呼び、審査通らなかった場合を否認、否決、非承認などと呼びます。
ですから、仮審査で決裁されたからといって、住宅ローンを借りることが正式決定したわけではなく、信用保証会社が行う本審査で決裁されてはじめて、住宅ローンの借入が可能となります。
信用保証会社は、住宅購入者から銀行などへの住宅ローンの返済が滞った場合、住宅購入者に代わって銀行などの金融機関へ住宅ローンの返済をする必要があるので、申込者に返済能力があるか、物件に担保価値はあるかなど、より厳しい審査を行います。ですから仮審査で決裁されても、本審査で否認または借入金の減額や、条件付決裁(保証料、他の借入金返済、連帯保証人の追加など)という結果が出る場合もあります。
それでは、具体的に仮審査時の審査項目についてみていくことにします。
≪仮審査の審査項目≫
1.返済完了時の年齢
住宅ローンごとに、返済完了時(以下「完済時」といいます)の年齢が設定されています。金融機関によって異なりますが、ほぼ全て70〜80歳までの間に設定されています。
住宅ローンの完済時の年齢が75歳と設定してあると、最長返済期間が35年間になっていても、50歳の人が申し込みする場合の返済期間は最長25年ということになります。
2.勤務形態
大前提は正社員ですが、女性向けのローンの一部などは収入条件さえクリアすれば契約社員でも派遣社員でも審査を通る場合もあります。
3.勤続年数
基本的に最低2〜3年必要です。転職と住宅購入を一緒の時期に考えるのであれば、住宅ローンの審査を終えてからの転職が望ましいということです。
4.返済負担率
返済負担率は、税込年収に対する返済額の割合を表すもので、以下のように計算します。
| 返済負担率=年間返済額÷税込み年収×100 (現在返済中の借入金があれば、上記の年間返済額に加えます) |
返済負担率は各金融機関によって異なりますが、それぞれに定められた数値以内になることが審査をパスする条件になります。
(例)
| 税込み年収 | 返済負担率 |
| 300万円以下 | 25%以内 |
| 300万円超〜400万円以下 | 30%以内 |
| 400万円超〜700万円以下 | 35%以内 |
| 700万円超 | 40%以内 |
5.会社経営者や自営業者の場合は事業内容
会社経営者や自営業者の場合は、年収だけでなく、事業の決算内容も同時に必要です。いくら年収が良くても次のような場合には審査のマイナス要因になります。
・ 会社の業績が悪い
・ 事業資金の借入が多い
・ 会社の借入金の連帯保証人になっている
特に個人事業主の場合は、確定申告書の収入金額(売上高)ではなくて、経費などを差し引いた所得金額を収入金額と見なします。つまり、収入金額(売上高)が多くても節税などで経費を多く計上して所得金額を少なくしていると、審査上、不利になります。
6.借入申込み金額と頭金
マイホームを購入するときに必要な費用は、物件購入費用と諸費用になります。
この資金を現金と住宅ローンで準備します。
諸費用は「物件売買時に必要な費用」と「住宅ローン契約時に必要な費用」、その他に「引越し費用や取得税」などがあります。この諸費用の合計は、物件価額の5〜10%が目安となります。(このような場合は多く見積もって10%と考えましょう)
金融機関によっては、諸費用ローンを用意している所もありますが、一般的に本来の住宅ローンよりも金利が高くなっていることもあり、基本的に現金で準備する必要があります。
現在手元にある資金がすべて諸費用となる場合は、物件価額=住宅ローンとなり「頭金がゼロ」となります。
年収や借入金額などによっては、物件の担保評価が十分であれば頭金がゼロでも決裁される場合もあるかも知れません。ただ、通常は、諸費用とは別に物件価額の2割以上を現金で用意する方が審査上プラスになります。
物件の2割用意できる人は、家計管理もきちんとできる人という判断に繋がり、住宅ローンの返済も問題なくできる見込みが高いと判断され、審査上有利です。
7.健康状態
住宅ローンの審査で意外と重要になるのが健康状態です。民間金融機関では団体信用生命保険への加入が必須となります。健康状態が悪く団体信用生命保険に加入できない場合は、どんなに年収が多くても住宅ローンの審査は否認されます。
ちなみに、「フラット35」の場合、団体信用生命保険への加入は住宅ローン申込者の判断により入っても入らなくてもどちらでも構いません。健康状態が悪くて民間の金融機関で団体信用生命保険に加入できず、住宅ローンの審査が否認された場合、「フラット35」を検討してみましょう。
参考文献:村元正明『賢く選ぶ住宅ローン』(2006年3月、あさ出版)